歯周病の進行
歯周病が進行することにより顎の骨が痩せてしまい、しっかりと歯を支えることができなくなります。骨が少なくなるに伴い、歯ぐきも下がり歯周病が進行していきます。
ルートプレーニング
歯周ポケットの中に歯石がある場合は専用の器具を使って歯石を取り除く必要があります。歯の表面も掃除することにより症状が改善されます。
歯周組織再生(ゲル)
顎の骨が少なくなったところに特別なゲルを注入し、少なくなった骨を再生させる術式です。
歯周組織再生(メンブレン)
顎の骨が少なくなったところにメンブレンと呼ばれる膜を貼りつけ、少なくなった骨を再生させる術式です。
ジンジバルグラフティング
歯ぐきが薄くなったところに別の場所の歯ぐきを移植し、薄くなった歯ぐきを補う術式です。
ソフトティシューグラフティング
歯周病の進行などの原因により歯ぐきが少なくなった場所に、別の場所の歯ぐきを移植します。歯ぐきを移植することにより、少なくなった歯ぐきを再生させる術式です。
カリエスの進行
むし歯を放置すると歯の表面から側面、歯の奥へ進行し神経まで達します。最終的に歯の根の先に膿がたまり歯を抜くことになります。
インレー
奥歯の溝の周辺がむし歯になった場合、被せ物を製作し歯に接着します
根管治療(臼歯)
奥歯の神経を抜く場合の術式です。専用の器具を用いて歯の神経を抜き、神経があった場所にはゴムの詰め物を充填し治療を行います
歯根端切除
むし歯が進行し、歯の根の先端に膿が溜まった場合の治療法です。歯ぐきを切り膿を取り出し、歯の根の先端を切断し治療します。専門的な技術が求められる術式です。
歯の萌出
歯の生え変わりには順序があります。下の前歯から生えはじめ、13歳頃に永久歯に生え変わります。その後、個人差はありますが17〜18歳頃に親知らずが生えてきます
哺乳瓶によるカリエス
乳歯が生えてからほ乳瓶でミルクをや砂糖の入った飲み物を飲み続けると、生えたばかりの前歯がむし歯になるリスクが高まります
フッ素塗布
フッ素材が入ったトレーを用いて、歯をフッ素でコーティングします。
シーラント
むし歯になりやすい奥歯の溝を樹脂で埋めることにより、むし歯のリスクを軽減します。むし歯になりやすい幼児期に行うことで、将来的な歯の保全に役立ちます。
智歯による歯列不正
埋まっている親知らずが横向きの場合、押された他の歯によって歯並びが悪くなることがあります。
智歯の悪影響
親知らずがまっすぐ生えなかった場合、むし歯や歯周病の原因になることがあります。親知らずが他の歯に悪い影響を与えていないか、歯科医院で検査することをお勧めします。
埋伏智歯の抜歯
親知らずがまっすぐ生えず横向きに生えた場合は、親知らずを分割した後に抜く場合があります。
ブラキシズム
歯ぎしりが原因で歯がすり減ってしまうケースがあります。就寝時に装着するトレーを製作し、歯がすり減ることを防ぐ必要があります。
TMD/TMJ
顎の関節の軟骨がスムーズに動かない場合は、顎を大きく動かした際に音がしたり、痛みを感じることがあります。心あたりがある方は歯科医院での検査をお勧めします。
マウスガード
コンタクトスポーツをされている場合は、歯が折れたり歯の周辺組織が損傷しないようにマウスガードを装着する必要があります。試合中だけでなく練習中もマウスガードを装着し、ケガを予防しましょう。
インプラントvsパーシャルデンチャーvsブリッジ
入れ歯、もしくはブリッジという治療法、さらにはインプラントも選択できるケースがあります。患者さんのご要望を最も反映できる治療法を提案することが可能です。
歯周病とは
歯の周りの歯茎に磨き残しがあると、細菌が増殖して歯茎に炎症を起こし、周囲の組織や歯槽骨(歯を支える骨)を破壊する病気のことです。
気付かないうちに病状が進行し、手遅れになると歯を抜くことになる場合もあります。
現在では成人が歯を失う一番の原因は歯周病で、生活習慣病の一つとして知られるようになりました。
また最近では、歯周病が糖尿病、心疾患など全身の健康に影響を及ぼすということが分かりつつあります。
歯周病のケアのために、お口とからだの健康を守りましょう。
右図は歯周病の症状を図解したものです。
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歯周病菌は下記のような条件のとき増殖して歯周病を悪化させ、かつ、全身へ影響を及ぼします。
1.喫煙
タバコの煙に含まれるニコチンやタール、一酸化炭素などは、口の中の粘膜を刺激し、歯肉を厚くします。
すると、歯と歯肉の間の溝が大きくなってプラークが増殖しやすい環境になります。
また、ニコチンは毛細血管を収縮させるために歯肉の血行を悪くして炎症を悪化させます。
2.糖尿病
糖尿病になると血行が障害され、それに伴って免疫力も低下します。
そのため、歯周病菌の繁殖が高まる可能性があります。
3.降圧薬
降圧薬の中には、歯肉を腫れやすくする副作用を持つものがあります。
特にプラークがひどいと、腫れがいっそう悪化しやすくなります。
すると、歯周ポケットが深くなって、歯周病菌が増えやすいのです。
従来、歯周病の治療は原因(歯石や感染歯質)を取り除いて進行を抑えるものでしたが、歯周病が進行して 炎症が歯肉の奥まで進行し、 歯周組織の破壊が進んだ場合、歯周外科手術が必要になります。 その際に、現在では歯周組織再生材料(エムドゲイン)を使用し、 歯周組織の再生を促す治療法が可能になってきています。症状が重度な場合によっては骨補填材を併用することもあります。 エムドゲインゲルはスウェーデンのビオラ社で開発されたエナメルマトリックスデリバティブというもので、 歯が生えてくる時に重要な働きをする、たん白質の一種です。現在の科学水準に基づく高い安全性確保の下、2005年5月現在、世界39カ国で使用されています。
歯周外科手術とエムドゲインゲルの塗布
手術の前に
歯肉の状態を調べる為に、歯周ポケットの深さを計ったり、レントゲンを撮ったり、その他 治療に必要な検査を行います。 再生療法が行えるかどうかは、歯周病の程度や患者様の健康状態によっても異なりますので、担当医とよく相談して下さい。
歯周外科
手術は麻酔をかけて行います。治療する部分の歯肉を切開、剥離して歯根表面の清掃を行います。
きれいになった根面にエムドゲインを塗布し、切開した歯肉部分を縫合して手術は終了です。
手術後の注意
手術創は速やかに治癒しますが、手術部分の歯磨き等は担当医の指示に従って下さい。
手術後の感染を防ぐ為に、術後3〜6週間は消毒薬などで口の中をよく洗浄するようにします。
歯周組織が再生するのに、数ヶ月から1年程度はかかります。歯周病を再発させない為には、 歯や歯の周りをいつも清潔に保つことが大切ですので、担当医の指示に従い、定期的な検査を受けるようにして下さい。